2022.01.15
思考の整理学
外山滋比古
■要約
記憶の整理をはじめ、アイデアの生み出し方、知識・知恵の身に付け方を実践的に学べる本。
■学び
・ギリシャ人が人類史上最も輝かしい文化の基礎を築き得たのも、かれらに優れた問題作成の力があり、「なぜ」を問うことが出来たからである。
・優れた考えがよく浮かぶ3つの場所として、馬上、枕上、厠上をあげた。(現代でいう電車や車での通勤時間、寝床、トイレ)
・発見は朝を好む。
・全体は部分の総和にあらず。独立していた表現がより大きな全体の一部となると、性格が変わる。
・発想のもとは個性。それ自体が面白かったり、面白くなかったりするのではなく、それが結び付けられる知識・事象から生まれるものが面白かったり、面白くなかったりする。発想の母体は触媒としての個性である。
・忘れてよいと思いながら、忘れられなかった知見によって、一人ひとりの知的個性は形成される。
・思考の整理というのは、低次の思考を、抽象の梯子を登って、メタ化していくこと。
・頭をよく働かせるには、「忘れる」ことが大切。勉強し、知識を習得する一方で、不要になったものを処分し、整理する必要がある。忘れるのは価値観に基づいて忘れる。価値観がしっかりしていないと、大切なものを忘れ、つまらないものを覚えていることになる。
・古い時代のことはよく分かる。それなのに、何でも直接見聞きして知っているはずの現在のことが実にわからない。
・思考はなるべく多くのチャンネルをくぐらせた方が、整理が進む。頭で考えているだけでは、うまくまとまらないものが書いてみると、はっきりしてくる。人に話してみるのもいい。
・声は考える力を持っている。しゃべりながら声にも考えさせる。
・自分はどういう考え方をしているのか、ということを意識するには、他の人の型に触れるのが有効。
・ものを書くのは人間を厳格にする。
■アクション
・アイデアは寝かせる。
・声に出して考える。
・紙に書いて考える。