2024-01-01から1年間の記事一覧
自分がとうてい想像しえない世界があることを考えさせられる一冊です。 多様性という言葉が広がり、以前より身体的な違いや性格の違いを受け入れようという風潮があります。ただ、そこで言われる多様性はあくまでその人が想像できる範囲でのことであり、想像…
5つの物語が描かれていて、ハッピーエンドというわけではないけれど、そこにある感情に寄り添って読み進めてみると少し優しくなれるような気がしました。 主人公らはそれぞれ悩みを抱えていて、繊細でどことなく悲しみを感じる。でも、最後には微かな希望が…
自分の時間を愛おしく感じる、そんな本でした。西加奈子さんのカナダでガンになったノンフィクションはいま生きる人を勇気づけながら、丸ごと受け入れてくれるだけの優しさがあります。 時おり挿入される詩や言葉が美しく大切にしたいものばかりで、西加奈子…
調律師というピアニストを根底で支えるお仕事は、想像の何十倍も奥が深い繊細なものなのだと感じます。話の軸である外村さん、ふたごの姉妹の関係性に心打たれて、何度か涙しました。 心に残したい言葉朝日が昇ってくるときの世界の輝きと、夕日が沈むときの…