自分の時間を愛おしく感じる、そんな本でした。西加奈子さんのカナダでガンになったノンフィクションはいま生きる人を勇気づけながら、丸ごと受け入れてくれるだけの優しさがあります。
時おり挿入される詩や言葉が美しく大切にしたいものばかりで、西加奈子さんの感性が好きだなぁと思いました。しっとりと心に響きます。
しっかりとした気持ちでいたい
自ら選んだ人と友達になって
穏やかじゃなくていい毎日は
屋根の色は自分で決める
美しいから ぼくらは
-カネコアヤノ「燦々」
「文学は、真夜中、荒野のまっただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ1本では到底明るくならないが、1本のマッチは、周りにどれだけの闇があるのかを、私たちに気づかせてくれる。」
-ウィリアム・フォークナー
ぜひ読んでみてください。