川さんの読書記録

25歳。読書の備忘録として、週1冊ほど。

2023/4/9『天を味方につける生き方』山納銀之輔 10/10

面白すぎました。
父のすすめで読みまして、こんな生き方もいいなと選択肢の幅が広がりました。

自給自足できる村をつくるエコビレッジビルダーとして活躍されている銀之輔さんの経験は驚きの連続です。家も服も食べ物もすべて、その場にあるものでつくってしまう。まさか自分で家がつくれると考えたこともありませんでしたが、自分にもできそうと色々と調べ始めています。

エコビレッジは世界中に3000カ所以上あって、日本には1つしかないそうです。なんだか寂しいですね。

 

お金のことで悩むことが多い日本人にとって、この本は豊かに生きるヒントをたくさん与えてくれると思います。銀之輔さんありがとうございます。

気になる方はぜひ。

 

2023/3/28『ここじゃない世界に行きたかった』塩谷舞 8/10

so__fotopalabrasさんにおすすめしていただき、読み終えました。良かったです。
塩谷さんの文章は優しく心にすっと入ってきて、読み終わって少しぼーっとしてしまう満足感がありました。

アメリカに住んでいるからこその視点も多く、気づきがたくさんありました。
行ってみないと気がつかないことってあるので、アメリカにそろそろお邪魔しようかと思っています。

so__fotopalabrasさんありがとうございました。

 

2023/3/25『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』紀里谷和明 7/10

すてきな表紙に吸い寄せられて、読んでいました。
表紙負けしない面白い作品でした。

「問いというのは、肉体に落とし込むことが大事です。想定だけで物事を考えていても、一歩も前に進んだことにはなりません。行動して実際に体感してみなくては。」

この内容に非常に強く共感できました。
私は昨年トライアスロンの大会に初めて出て、思いのほか大好きになっていましたし、学生のときに興味のなかった美術館も試しに行ってみたら絵を真剣に観ている時間が好きで、月に数回行くようになりました。

どちらも想定とはかけ離れた感情を抱いているのが事実です。
想像はあまり当てにならないと思い始めて、行動に移すようにしています。

本書は表紙にある通り、自分と向き合う物語です。
日々感じている悩みや苦しみの原因を優しく紐解いてくれる、心が温かくなる本です。

ぜひ読んでみてください。

 

2023/3/21『銀河鉄道の父』門井慶喜 8/10

父親の気高さ、厳格さ、そして愛情ゆえの脆さ。
宮沢賢治さんの名著『銀河鉄道の夜』ではなく、『銀河鉄道の父』です。
本書は宮沢賢治の父、政次郎が語る宮沢家の物語です。

近々映画が公開されると聞き、手に取ってみました。
単行本で408ページと分厚いのですが、面白くて2日ほどで読み終えてしまいました。

きっと読者の皆さんは、政次郎さんを好きになってしまうだろうと思います。

時代は1900年代初頭で、家父長制が当然です。父親は家の秩序を守るために、常に厳格であり、威厳を保つ必要がありました。

ただ、賢治への愛情がその厳格さを揺るがすのです。
賢治が病になり、本来妻が看病するものを政次郎自ら行ったり、幾たびの金の無心を結局は許してしまう。どうしても助けてやりたいという気持ちが抑えられない。

そして、政次郎は「われながら愛情をがまんできない。不介入に耐えられない。父親になることがこんなに弱い人間になることとは、若いころには夢にも恐れなかった。」といいます。

私は親になると責任が生まれ、人間を強くするものと思っていました。
しかし、政次郎の言うように愛情や優しさが人間を脆くさせることもあるのかもしれないと思いました。父親としてあるべき姿と溢れる感情に思い煩う政次郎を愛おしく感じました。

特に印象的だったのは、賢治が結核で倒れ、生きるか死ぬかの瀬戸際で伝える政次郎の励ましです。「お前がほんとうの詩人なら、後悔のなかに、宿痾のなかに、あらたな詩のたねを見いだすものだべじゃ。何度でも何度でもペンを取るものだべじゃ。人間は、寝ながらでも前が向ける。」

物理的には起き上がることができない以上、前を向くことは難しいけれど、心持ちは前向きな姿勢でいられる。これほど人を励ます言葉もなかなかないと感じました。

賢治の瞳はかがやきを増していきます。
どんなに困難な状況でも強くあれること、政次郎さんはそう教えてくれます。

気になる方はぜひお読みください。

 

2023/3/18『Chatter「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』イーサン・クロス 7/10

「頭の中のしゃべり声(チャッター)」をどう鎮めるか。
私は普段頭の中でひとり言が多いので、気になって読んでみました。

何を思考しているかによって、良い影響にも悪い影響にもなりうるだろうなと思っていたのですが、考えている内容というよりネガティブな感情を抱いた内省は悪影響を及ぼすとのことでした。
近年の研究では苦痛を感じているときの内省は有害無益で、仕事のパフォーマンスや人間関係に悪影響を及ぼすことが分かっています。

本書では、その有害になりうるチャッターをコントロールするための26の方法を教えてくれます。
面白いなと思った内容をいくつか抜粋してお伝えできればと思います。

・人間は嫌な経験を話さずにはいられない。負の感情が強ければ強いほどそれについてますます多くを話したがった。
・感情的な痛みには身体的な要素もある。
・遺伝子+環境=われわれというのは真実ではない。持っている遺伝子が発現するかによる。
・困難に遭遇しているときに、その翌日ではなく10年後にそれについてどう感じるかを想像することはきわめて有効。
・感情を他人に共有してもチャッターを減らす役割をほとんど果たさない。それどころかしばしば悪化させた。

気になる方はぜひ読んでみてください。

 

2023/3/16『旅をする木』星野道夫 10/10

この本に出会えてよかった、そう思える本でした。
読んでいると心があったかくなって、時々涙が滲んできます。
極北のアラスカで写真家をしていた星野さんの日々には、ずっと忘れたくない大切なことを私に教えてくれました。

一度もアラスカに行ったことがありませんが、その情景がありありと浮かんでくるのです。美しく、公平な自然や真っ直ぐでチャーミングな人たちが目の前で息をしているように。

素直に行ってみたいと思いました。
もちろん、オーロラや満点の星空をみたい気持ちはあるのですが、それよりそこにある自然に触れてみたいと思ったのです。まだまだ私の知らない美しいものがこの地球には溢れていると感じます。

星野さんは51歳のとき、クマに襲われて亡くなったそうです。
今の時代では少し短い命なのかもしれません。でもこの本を読むと、その時間は本当に幸せに満ちたものだったのだろうと感じられて、長さよりもよく生きたいと思わせてくれます。自分の人生も素敵なものにしようと爽やかな気持ちも湧いてきました。

気になる方はぜひ読んでみてください。
素晴らしい本です。

 

2023/3/9『アルケミスト』パウロ・コエーリョ 10/10

世界170カ国以上で2億部売り上げたというこの本を胸の高鳴りを感じながら読み終えました。
自分と向き合って考えながら読むと力強いメッセージを与えてくれると思います。

人によって様々な解釈ができて、同じ人でも読む時期によって感じ方が変わる本だと思いました。
また読みたいと思う本なので、評価を10とさせていただきました。

少年が旅を通して、人生の知恵を学んでゆく物語です。
老人やアラブの王様、錬金術師といった人たちに会って、人生について考えを深めていきます。

はっと考えさせられる言葉も多かったので、いくつかご紹介できればと思います。
・人は、人生の早い時期に生まれてきた理由を知る
・本当に起こっていることではなく、自分が見たいように世の中を見ていたのだ
・人は、自分の必要と希望を満たす能力さえあれば、未知を恐れることはない
・明日死ぬことでさえ、他の日に死ぬことと別に変わりがあるわけではなかった

自分を見つめる時間のお供にアルケミストはいかがでしょうか。おすすめです。