2022.01.26
バカの壁
養老孟司
■要約
人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「個性」など、多様な角度から考えるためのヒントを与えてくれる一冊。
■学び
・日本人は常識を雑学のことだと思っている。何でも説明さえすれば全てがわかるように思うのはおかしい。
・基本的に世の中で求められている人間の社会性というのは、できるだけ多くの刺激に対して適切なaの係数を持っていることだと言える。
・若い人はがんじがらめの「共通了解」を求められつつも、意味不明の「個性」を求められるという矛盾した境遇にある。
・彼らのやっていることは真似できないと誰でも思う。それ以外の個性なんてありはしない。
・不変なのは情報。人間は流転する、ということを意識する。
・知るということは根本的にはガンの告知だ。知るということは自分が変わること。見え方が変わるから世界が変わる。
・意識にとっては、共有化されるものこそが、大事なものである。
・基本的に都市に住んでいるということは、すなわち意識の世界に住んでいる、ということ。
・無意識の状態でだって身体はちゃんと動いている。だが、おそらく近代人は、それを自分の人生だと思っていない。単に寝て休んでいるだけだと思っている。
・学者はどうしても、人間はどこまで物を理解できるかということを追求していく。逆に、政治家は人間はどこまでバカかというのを読み切らないといけない。